2012-03-29 12:09:43
甲州水晶貴石細工 伝統工芸士 坂野 耕一
甲州水晶貴石細工 伝統工芸士 坂野 耕一昭和36年より有限会社さかの珠宝製作所にて甲州水晶貴石細工の仕事に従事。平成7年度に「日本の伝統工芸士(経済産業大臣認定甲州水晶貴石細工伝統工芸士・厚生 労働省認定一級宝石研磨士)」に認定されました。主に翡翠、茶器、水指、杓立、蓋置、香合、献茶湯器、水晶貴石念珠を手がけていますが、その中でも翡翠研磨、丸玉研磨、念珠玉研磨を得意としています。

近年では念珠だけでなく、念珠ブレスレットやネックレス・イヤリングなどのフォーマルセットを製作するなど、様々なニーズにも対応しています。
 
日本伝統工芸士会作品展 特選1回・入選1回・山梨県水晶美術彫刻新作展 関東通商産業局長賞1回・甲府市長賞2回・日本伝統工芸士会会長賞1回・山梨県商工労働観光部長賞2回・甲府商工会議所会頭賞1回・伝統工芸品産業振興協会会長賞1回・山梨県水晶美術彫刻協同組合理事長賞5回などを受賞し現在でもその創作意欲は衰えていません。
 
現在では後進の指導にも積極的に携わっています。特に長男健一、次男二朗を当製作所の後継者になるよう育成しており職人として今後も工夫を重ね、皆様に良い製品をお届けできるよう日々努力しています。
甲州水晶貴石細工について
甲州水晶貴石細工の歴史は古く、約千年前、美しい眺めで知られた甲斐の国(現在の山梨県)「御嶽昇仙峡」の奥地から水晶原石が発見されたことが始まりとされています。発見当時は原石のまま置物等として珍重されていました が、江戸時代中期には、神社の神官たちが、京都の「玉造」に原石を持参し、加工させるようになっていました。江戸時代後期になると、玉造り職人を甲斐に迎え、 鉄板の上に金剛砂(こんごうしゃ)と呼ばれるダイヤモンドのように硬い石の粉末を蒔いて宝石を磨く方法を導入したことで、甲州水晶貴石細工がこの地に根付いたとされています。
皇室の三種の神器の一つ八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)が、甲州水晶貴石細工の原点です。一つ一つの製品は、この世に二つとない天然宝石で作ったも、天然宝石の特徴を活かした作品が多く、同一作品は他にありません。
甲州水晶貴石細工の製造工程
工程は原石の形作りと研磨の2つに大きく分けることができます。
鉄ゴマを回しながら「透かし彫り」「浮出し彫り」「深肉彫り」「線彫り」「平押し彫り」の5つの技法を使い分けて彫刻していきます。仏像製作を例にその行程をご紹介します。

  1. 原石選別
    何10種類もある原石の中から、作品に一番あったものを選び出します。石の中に表面からは見えないキズやくもりがあるかどうかを見極めるには、長年の経験と勘が必要です。
  2. 線引き、切断
    使う範囲の大枠をきめたら石に線を引き、原石切断用の大きな機械で切断します。
  3. 絵付け
    仏像が6頭身になるように計った上で、まず顔を石の一番いいところにもっていきます。
    次に肩、手、腕、足、とイメージがわきやすいように描いていきます。
  4. 小割(こわり)
    大きかった原石に、高速で回転しているダイヤで切りこみを入れていきます。できるだけ型に近づけるように、よぶんなところを切り落としていきます。
  5. 粗ずり
    鉄でできた円形の「コマ」とよばれるものを高速で回転させ、色々な種類のコマに取り替えながら、そこに原石をあて、正確な型にすっていきます(する=削ること)。この際石に、カーボランダム(金剛砂(こんごうさ))という研磨剤をかけながらすっていきます。すりは4回行われ、粒の大きい粒子からだんだん細かい粒子に変えていき、4番すりで仕上げます。
  6. 磨き
    今度は鉄ではなく、木のコマでこすって磨きます。鉄でこすったところがザラザラしているので、同じところを全て磨いていきます。硬い木のあとは柔らかい柳や桐でこすります。
    最後にアレキサンという細かい砂で仕上げます。
  7. 仕上げ
    バレル(回転研磨機)の中にチップトン(丸玉研石)と酸化クロム(アオコ)という磨き粉の中に作品を入れ、入れ物自体をを回転させながらツヤを出します。最後の細かいところは手作業できれいに仕上げます。

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